いつものように(?)2人は一緒に学校から帰るようだ
無論周りの目を気にしないマイペースなクー
学校中で噂は耐えない、クーは内心やれやれ…と思っている
「何故そんなに他人を干渉するのが好きなのか」と…

川゚−゚)「ブーン君…手品上手くなったな」
( ^ω^)「もちろんですお!ブーンも早く万引き上手くなりたいお!!」
川゚−゚)「ああ…ならもっと上手くなることだな…」
( ^ω^)「はいだお!!」

傍目からみたら恋人同士…そんな風に見えなくも無いこの構図
健全な高校生のカップルにも見えなくも無い

まあ、話の内容は恐ろしいものだが…

( ^ω^)「そういえばクーさんが万引き始めたのは中学生だったお?」
川゚−゚)「ああ…そうだが…」
( ^ω^)「クーさんは始めての万引きはどんなものだったお?」
川゚−゚)「初めての万引きか…懐かしいな…たまには昔話もいいか…」


〜〜4年前〜〜


ノノ"゚−゚)「…」

私は自分で言うのもなんだが元々真面目な中学生だった
成績はいつも上位で、教師からも信頼されていた

まあ、中学2年生までの話だがな…

ノ^、^し「ねえねえクー!一緒に帰りましょう!!」
ノノ"゚−゚)「……」
ノ^、^し「もう…まったくぅ…無口なんだからぁ〜」
ノノ"゚−゚)「…別に……」

私は当時とても無口だった…
今もそこまでおしゃべりじゃないが…

…友達もそんなに多くなかった

友達作るくらいなら、勉強で成績とって教師から誉められることのほうが
生きがいだったから…

ノノ"゚−゚)「…」

まあ、そんなのも中2のころで終わったんだけどな…

あれはちょうど今位のころ…春休み前だったかな…

ノノ"゚−゚)「…(しまった!280円…足りない…)」

当時流行っていた漫画、売れ筋商品で次来るときには無い…
幸か不幸か人の少ない昼過ぎ、ちょうど店には店員一人、鈍感そうな大学生バイト

ノノ"゚−゚)「(レジとは死角…)」
ノノ";゚−゚)「(…)」

ドクン…ドクン…

真面目一筋でやってきた私には、とてもできそうには無かった
でも、一度「万引き」をしようと決めたものは…

買う気にならない

ノノ";゚−゚)「(…今がチャンス!)」

私は鞄の中にその漫画を入れた
そしてすぐその店をでた

「ありがとうございましたー!」

店員の気の抜けた声…
私は心臓が止まりそうになった

コンビニなどの店員のあいさつは、万引き防止の心理があるらしいぞ

ノノ";゚−゚)「ハァハァ…(…バレてない?)」

私はそろそろ暖かくなるだろう季節、ものすごい汗をかいていた

ノノ";゚−゚)「ハァ…(さっさと帰ろう…)」


今思えば、捕まっていた方が良かったのかもしれないな


私は、この快感に惑わされこの後、いろいろなものを万引きするようになった
文房具、本、お菓子…その他いろいろ…

当時、なれない手つきの万引きでよくココまで引けたと思う

そして、春休みの半ば

ノノ"゚−゚)「…」

いつもとあたりまえのようにボールペンと消しゴムを引く

いらない物なのに、ついタダで手に入ると…
欲しくなっちゃう…
不思議な心理だな…でも、これが万引きをやる人の心理らしい…

慣れた私は、緊張感も持たず、店を出た

(ー。ー)「ちょっとお嬢さん、何してるんですか?」

私はその瞬間足が動かなくなった…すくんだ…

ノノ";゚−゚)「……………………」
(ー。ー)「ちょっとこっちまで…」

私は逃げ出したくなった
でも…今にも崩れそうな足…

(ー。ー)「親御さんは?家族は?学校は?」

慣れた口調でスラスラと言う店員が怖かった

ノノ";゚−゚)「…あ………」

あまり記憶に無いな…その先は…

色々聞かれ…親には殴られ…
教師の信用はなくし…、受験は目標ランクを2つも下げられた

元々友達も居ない私はまさしく「1人」になった

絶望だ

何も無くなってしまった、一瞬で

それからだ、私が万引き集団と出会ったのは

最初は引きこもって、パソコンをいじっていた
「万引き」で検索していると、奥の方に興味をそそるものがあった

現在私がやっている集団万引き

私はそこに載っている万引き方法を学んだ
私はもう、捨てるものなんて無いと思っていろいろな物を万引きした
そして、サークルのオフ会…意外と近辺に居るという事にビックリした…
そこから今の「仲間」が出来た…
同じ志を持った…変な言い方だがそんな仲間と出会うのは初めてだった
私は相当万引きを学んだ…
学業や学校生活を捨てて…

まあ、2回目捕まった時は抵抗あったしな
悪気も全然無かった

そして、適当に高校入学して、現在まで一度も捕まらない…

教師や親は万引きした事実を生徒に広めてなかったのがせめてもの幸いだな

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

川゚−゚)「…今思えば、あの時捕まっていたら…私の人生は…変わっていたのだろうか…?」
( ^ω^)「…」
川゚−゚)「あの時、捕まっていたら…私はもう2度と万引きしなかったな…」

私はこう思うんだ
初めての万引きに「成功」するか「失敗」するか
成功したら、もう買う必要なんてないか…なんて考えてしまう…
失敗したら、そのときの恐怖が身にしみる…

私みたいなのは一番悲惨なのかもしれないな…

川゚−゚)「だから…私は万引きで…幸せを見つける…貯金して…一人で都会に住む…」
( ^ω^)「…」
川゚−゚)「犯罪の先に幸せなんて…ないのかな?…でも…もうこうするしかない…」
( ^ω^)「…なんていえばいいかわからないお…ごめんだお…」
川゚−゚)「…でも…こんなに話を出来た人は…はじめてだ…ありがとう…」

クーは後ろを向く

( ^ω^)「クー?どうしたお?」
川  )「いや…なんでもなぃ…」
( ^ω^)「これからどうするお?」
川゚−゚)「ああ…今日は疲れたな…また家に来るか?」

クーの目が微かに赤い

( ^ω^)「行くお!お菓子もらいに行くお!」
川゚−゚)「あ!こら!私の家はお菓子倉庫じゃないぞ!!!」
( ^ω^)「タダで手に入れたんだしいいお!」
川゚−゚)「まあ…かまわないが…」


クーは嬉しかった…
同年代の友達でこんなにまともに自分の事を話せる友達が出来たのだ
万引きDQN集団は見んな年上…「さん」付けされているが年上…大学生の人達だ
クーも一応大学生と言っているが、いつバレる事やら…

まあ、万引きもいつバレる事やら…という感じだが…


クーの家

( ^ω^)「お!うまいお!」
川゚−゚)「太るぞ…」
( ^ω^)「お…」
川゚−゚)「暇だな…ゲームでもしようか…」
( ^ω^)「何するお?」
川゚−゚)ノ◎「…ぷよぷよ…私は強いぞ…」
( ^ω^)「おっ!やるお!」

川゚−゚)「………………」
( ^ω^)「おっおっおっ!8連鎖なんて卑怯だお!」

こうして、ブーンはクーの家で9時まで遊ぶことに…

当然…クーの親は彼氏と勘違い…

川゚−゚)「…………」

無言で食事をとるクー

ノノ゚ー゚)「…」

母親も無口…家庭はもうすでに崩壊したクー…

無言で部屋に戻るクー

川*゚−゚)「……ブーン君にメールでもするか…」